Music Diary
[ 2006.12.25 ]
ジョージ・ベンソン(g,vo) X アル・ジャロウ(vo) 夢の競演
夢の共演とは、このことね。ジョージ・ベンソン(g,vo)とアル・ジャロウ(vo)が全編共演した『ギヴィン・イット・アップ』が、ついに登場しました。ジャズを基盤としながらも、音楽性においても知名度でもより広い世界へと飛び出したこの2人。その共通点があるから、互いへのリスペクトが高く、この共演作も2人が30年来語ってきた夢が実現したものなのです。
各々のセルフ・カヴァーに、ポピュラー?R&Bの名曲に、〈トゥトゥ〉、〈ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド〉や〈フォー〉とジャズからのエントリーも忘れない選曲。冒頭の〈ブリージン〉では、アルの口パーカッションでスタート。するとそのバックにベンソンがスキャットをつける。ジャロウが朗々とメロディを歌いだすと、ベンソンが柔らかな音色であの名メロディを弾く。2人のユニゾン・スキャットと、もっ、たまりません。
〈モーニング〉では、ベンソンのギターが歌い、ジャロウの驚異のノドがパーカッション的に参加する布陣。2人とも歌えるから、様々なフォーマットを組める点が強みですね。
もちろんゲストも大変豪華。マイルス・デイヴィスが書いた〈トゥトゥ〉では、当然のようにマーカス・ミラーがシブいベースで登場。ハービー・ハンコックも素晴らしいソロを聴かせ、限りなく贅沢なテイクになっています。ベンソンのソロがいいから、やっぱりギター巧いなと感心し、ならばもう少しジャズが多くてもいいと思うけれど。
ビリー・ホリデイが書いた〈ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド〉では、ジル・スコットが味わいのある歌を聴かせ、ベンソンの歌と掛け合いに。ベンソンのギターもいきおいブルース濃度をあげ、これがイイ。
他にもジョン・レジェンドの〈オーディナリー・ピープル〉、ダリル・ホールの〈エヴリタイム・ユー・ゴー・アウェイ〉、ポール・マッカートニーが参加したサム・クックの〈ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー〉まで、道を極めた男の底力x 2は驚異的で、この上なく楽しいのです。
暮れの元気づけに、お勧め。
今年4月から、CS(衛星)を使った音楽専門放送局「ミュージックバード」で、「中川ヨウのジャズ紳士録」が始まりました(日曜日、22:00?23:00 On Air)。様々なフィールドで活躍する方々をゲストに迎えて、その人生と仕事、ジャズへの想いを語っていただくという番組なんです。いろいろなゲストをお迎えして今思うのは、「ジャズってこんなに多くの方に愛されているのか」という嬉しい感慨と、「苦労/チャレンジのない人生はないんだなぁ」ということです。

1月7日の放送では、「起こし文」作家の山岡進さんをゲストにお迎えしました。
江戸前の、爽やかな方でしたが、山岡さんオリジナルの作品群「起こし文」「起こし絵」が、すごいのなんのって。
立体と平面を使い、前者が和風の飛び出す絵本的なもの、後者がドールハウスの壁掛け版、という説明がもどかしく、画像をお借りしました。
「鳥居」が「起こし文」で、ご自分の結婚式案内状につくったのが始まりだそうですが、美しいんですね。現在はカードとして求めることもできます。他にも、谷中にある各種お店や、季節の花鳥風月などが主題になった「カード」がたくさん。
『「小机邸」は妻のお爺ちゃんの家。建て替えに伴い、旧家の保存の為に起こし絵化し、本人に贈呈しました』(山岡さん談)額縁を含めてw56×h35×d15cm。奥に鏡がかけてあり、その効果で空間を広く見せるばかりか、温かな奥行きを生んでいるんです。細かい作業にも驚きますが、懐かしく温か?いに気持ちが暖かくなる、世界でひとつの作風です。

妻のお爺ちゃんの家。建て替えに伴い、旧家の保存の為に起こし絵化し、本人に贈呈。
Photo: YOKOo SO

自分の結婚式案内状につくったのが始まり
Photo: YOKOo SO
ただいま、銀座「佐人」で1月21日まで、展示会をやっておられます【銀座6-11-14松坂屋裏 TEL03-5537-1245】[ただし月曜日と12/28?1/3は休み]。お茶を飲みながら、起こし文をめで、作品を求められるそうなのです。もちろん全部、山岡さんの手作り。 え?、いいの?と思うお求

ジョージ・ベンソン&アル・ジャロウ
「ギヴィン・イット・アップ」
ユニバーサルミュージック
UCCM-2002
2006年11月29日発売
------------------------------------------------------
※ 権利者の許可を得ずに、複製することを禁じます。







