Music Diary

[ 2009.11.07 ]

ハリー・コニック,Jr.の『恋人たちのラブソング』

ハリー・コニック,Jr.の新作『恋人たちのラブソング』(原題"Your Songs")が、発売直後の全米アルバム・チャートで、初登場8位を飾るという快挙をなしとげました。

その朗報が飛び込んできた数日前、ハリー本人から電話が入ったんです。
ま、そこはデビュー時からの仲良しですから、超多忙ななかでも、頼めばインタヴューに応じてくれる。実に、ありがたいのです。

ハリーと家族の様子を伝えあい、それから本題へ。
アルバムについて、話してもらいました。

「今回の新作は、ポップスの名曲集なんだ。さまざまな時代を彩ったポップスの名曲を歌う。それは、シンガーとして、とても楽しい作業だった。

今まで25作アルバムを作ってきたけれど、他の人に音楽的なプロデュースを任せたのは、今回が初めてだね。彼の名は、クライヴ・デイヴィスといって、アメリカでは著名なプロデューサーだ。まず、クレイヴに言われたよ。『ハリー、君のアレンジはちょっとヒップすぎるんだよね』」。

クライヴがいわんとしていたことは、わたしにも解ります。

ハリーはジャズに関してはたいへんな博識で、それを礎に自ら作曲もしますし、自身のビッグバンドのために編曲もする。ですから、つい玄人受けするアレンジ〜演奏になりやすいのです。

それでいいのだ、それがハリーだと思ってきましたが、初登場チャート・インが証明したように、クレイヴの視線は今作をより広いリスナーに届けることに貢献しました。そして「ヒットをだすこと」は、今の彼にはナイスな!事柄だったのです。
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ハリーが近年、再注目されるようになったのは、後進であるマイケル・ブーブレ、ジェレミー・カラムがより若い層に起こしたスタンダード熱によってでした。

彼ら後進のヒットがなければ、今もハリーはエクスクルーシヴな場所にこだわっていたかも(玄人受けすればいいと思っていたかも)しれません。

ですが、本作に収められた楽曲は、エルヴィス・プレスリー、ビートルズにカーペンターズ、ビリー・ジョエルetcの、アメリカのポップス史を飾る名曲ばかり。それも、(やはりハリーが書いたが)実に解りやすいアレンジで、歌われます。

そう、一緒に歌える。そんな感じなのです。

ハリー・コニック,Jr.は、今年の9月11日で42歳になりましたが、音楽に関しては1920年代のジャズから80年代のポップス/ロックまで詳しく、数百曲に及ぶレパートリーをもっています。

ジャズの故郷でもあるルイジアナ州ニューオリンズの法律家の家に生まれ、そのサザナーとしての上品さが、彼の歌の魅力でもあるのです。

「(愛妻)ジルを思って歌ったんだ」というのは、冒頭の〈オール・ザ・ウェイ〉。愛妻家であるかどうかは、歌のクオリティとは少々しか関係しませんが、人としては、特に友人としては愛妻家は大歓迎です。
演奏は、ブランフォード・マルサリスのtsソロつき。ちょっと、サム・テイラーを想起しましたw

ラテンの名曲〈ベサメ・ムーチョ〉などは、もちっと色っぽくてもいいとも思いますが、ハリーはハリー。この艶が、ハリーの上限で、またそれでいいのです。
聴いている女子が身悶えすることはないかもしれませんが、ファミリー向け。
皆で聴けます。
で、この歌はハリーのお父さまの一のお気に入りだそう。

ハリー、久々のヒット、『恋人たちのラブソング』。
彼の最大のヒット、映画『恋人たちの予感』のサウンドトラックを思い出してしまいますが、このタイトルも戦略のひとつでしょうw

これからのクリスマス・シーズンのギフトとしても、活躍しそうな、名ポップス・ラヴ・ソング集なのです。

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H1.jpgハリー・コニック,Jr.の新作『恋人たちのラブソング』(ソニー・ミュージック ジャパン インターナショナルより,11月11日日本盤リリース)


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