Music Diary

[ 2008.11.30 ]

ブルーノート・レーベルのMy Best 3

 ジャズの最老舗レーベルであるブルーノート・レーベルが、来年創設70周年を迎えるので、色々な動きが始まっています。

 1939年にドイツ系移民のアルフレッド・ライオンが、NYで起こしたこのレーベル。生前のライオン氏に会ったとき「このレーベルの成功は、ひとえにジャズが生きいきと躍動していた時代に、レーベルを始めたからに他なりません」と、語っていました。

 それは謙遜でしょうが、 1940年にはシドニー・ベシェの<サマータイム>で、初めて大きなヒットを放ったこのレコード会社。50年代には写真家でもあるフランシス・ウルフ、レコーディング・エンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダー、デザイナーのリード・マイルスという名スタッフを得て、サウンドばかりか、アートワークやデザインまでをも考慮し、丸ごと「cool」なアルバムを世界へと送り出したのでした。

 50年代は、ジャズが大いに活性化していた時代でもあって、アート・ブレイキー、ホレス・シルヴァーらを筆頭に、すばらしいジャズ・ミュージシャンを世界に紹介したのでした。たとえば、クリフォード・ブラウン、ハンク・モブレー、ジミー・スミス、リー・モーガン、ルー・ドナルドソン、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、トニー・ウィリアムス、オーネット・コールマン、ドナルド・バード、フレディ・ハバード!彼らのデビュー・リーダー・アルバムは、すべてブルーノートからだったのです!

 そして、もうひとつ、すごいところは、今も続いている点です。80年代中盤に復活し、近年ではノラ・ジョーンズの世界的ヒットを生んで、今も健在というミラクル・レーベルなのです。

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「そのブルーノート・レーベルで、好きなアルバム BEST 3をあげてください」
そんな依頼を平凡社新書からいただきました。2009年に、70周記念で、ブルーノート本を出版するのだそうです。

 もちろん、引き受けました。二つのことが楽しみで。
 まず、音楽に浸る時間を、大いばりでふんだんにとれること。相手がブルーノートでは、全部聴き返すのは無理ですが、この機会に聴いてみたいアルバムが山ほどありました。もちろん、1500番代が中心です(このレーベルの場合、通は、モーツァルトのケッヘルのように、番号で作品を呼ぶのです)。
 そして二つ目は、自分の趣向が変わったかどうかを、ちょっと検証してみたかったのです。

 音楽の好みは、10年単位くらいで変わることが多いものです。わたしの場合、年を重ねることでキャパが広くなりました。以前はダメというものも、今はその気持ちもわかる、なんてことがザラにある。
 ですから、今回のファイヴァリット 3も変わるかなと、楽しみに聴き返したのです。

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 ですが、結果は変わりませんでした。ブルーノートのような量的にも内容的にもすばらしいレーベルの場合、10年という単位くらいでは微動だにしない、確たるクオリティがあるのだということを再認識しました。

 そして、耳をこらして聴き、ヴィジュアルにはまどわされずに、以下の6作を選びました。
 規定は3枚でしたが、Vol.1と2を分けては考えにくいので許していただき、こういう結果になりました。

 『ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.1 & 2』 セロニアス・モンク
 孤高の天才(作曲家&ピアニスト)、セロニアス・モンクの初リーダー録音を含む3セッションを収録。
 〈ラウンド・ミッドナイト〉、〈モンクス・ムード〉など、数々の名曲のオリジナル・ヴァージョン(初出)も聴けるのが、お宝度が高い。

『ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.1 & 2』 バド・パウエル
 バド・パウエルの頂点を記録した1949年と51年のブルーノートでのセッションをCD1枚に網羅したのが、Vol.1です。〈バウンシング・ウィズ・バド〉、〈ウン・ポコ・ローコ〉と、スピードと躍動のめくるめく名演がレコーディングされています。
 Vol. 2は、得意のバップ・ナンバーから、野心的オリジナル〈グラス・エンクロージャー〉まで、彼の意欲が聴ける53年のトリオ作。
 いずれも、超絶技巧だけではない、彼のピアノの魅力ががっちりハートをつかまれます。

 『バードランドの夜 Vol.1 & 2』 アート・ブレイキー・クインテット
 1947年、(8人編成で)ブルーノートに初リーダー作を録音したドラマー、アート・ブレイキーは、 54年に『バードランドの夜』で、歴史的な熱いライヴ・レコーディングをしました。NYの老舗ジャズ・クラブでのこの演奏で、ハードバップ(と呼ばれる時代)が始まったともいわれていて、その熱き鼓動は、火傷しそうなほど。
 ブレイキーは、この録音の翌55年、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズを結成しますが、そのグループは、約30年間の永きにわたってジャズ・シーンをリードしたのでした。

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 と、いずれも、ジャズ史に輝く名作です。
 共通点は、命が輝いていることですね。
 ジャズを聴いてみたいという方には、一度はぜひ聴いていただきたい名盤ぞろいです。

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セロニアス・モンク
『ジーニアス・オブ・モダン・ミュージックVol.1/Vol.2』

EMIミュージックジャパン
Vol.1:TOCJ-7003/Vol.2:TOCJ-7004
Vol.1:2005年1月31日発売/Vol.2:2007年6月20日発売



バド・パウエル
『コンプリート・ジ・アメイジング・バド・パウエルVol.1/Vol.2』

EMIミュージックジャパン
Vol.1:TOCJ-7011/Vol.2:TOCJ-7012
2007年07月25日発売



アート・ブレイキー
『バードランドの夜Vol.1/Vol.2』

EMIミュージックジャパン
Vol.1:TOCJ-7081/Vol.2:TOCJ-7082
2008年02月20日発売

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