Music Diary

[ 2008.06.30 ]

ミッキー・カーチスさんのウエディング

 ミッキー・カーチスさんのウエディングに、招待していただきました。前にも書きましたけれど、わたくしはおめでたいことが好きで、だから結婚式も大好物。

 それもティーンエイジの頃からお世話になっているミッキーさんの結婚式とあっては、もぅ、うれしいの極限です。

 ミッキーさん69歳、花嫁のヨーコさん33歳。幸福に年齢制限はなく、お2人の幸せな笑顔を見ていると、やはり人生「今」を生きるに限ると思えてきます。先の心配をするひまがあったら、今幸せになっておこう。ミッキーさんがそうはっきり言ったわけではありませんが、折にふれて、ミッキーさんから「だめでもともとだから、やってみれば」とか「面白い方がいいじゃない?」と声をかけてもらってきました。

 将来や過去にむける意識とエネルギーを、もし現在に集中させることができたら、どれほど大きな力がでるでしょうか。ミッキーさんは、それができるんですね。そして、生きることを楽しむことができる。

 そんな生き方は同時に、「即興」の極意でもあると、わたくしには見えるのです。

 さて、新婚さん。どんなきっかけで、お2人は出逢ったのですか?

「ヨーコが可愛がっている犬と散歩しているときに、あえて犬に声をかけたのが、そもそも。だからね、みんなに勧めているんだ。犬飼いなさいって(笑)」

 ワハハ、将を射んと欲すれば馬を射よ、ではないけれど、犬ですね。わかります。赤ちゃん連れとか犬のお散歩中って、話しかけやすいですものね。

 ヨーコさんはピアノの教師をしている、エキゾチックな魅力のもった方で、音楽家同士話があったのでしょう。その日も、きれいな犬2匹が、会場になった白金台の「ブルーポイント」の前で待機していたけれど、この子たちがキューピッドなのね。「お手柄でした」と、声をかけておきました。

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 ミッキーさんの優しいところは、わざわざご自分で電話をくださって、「忙しいだろうけど、来てよ」と声をかけてくださったこと。会場を見渡すと、様々な年代にミッキーさんと知り合った方々が、もれなく招待されているのです。

 感激したのは、息子さんたちも来ていて、ユージン・カーチスくんは、DJ担当。プロですから、当然でもありますが、実にすてきな選曲を聴かせてくれました。

 こういう「みんなで幸せになろう」的なミッキーさんの考え方が、好きですね。すばらしいと思います。

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 ミッキー・カーチスさんは、東京生まれ。小さい頃に上海に住んでいたことがあるそうです。成城大学に入学する頃には、ロカビリーの大スターとして、日本中の女性のあこがれの的。その人気はすさまじいものがあったといいます。

「ステージで歌っていると、テープが飛んでくる。花束も飛んでくる。それをよけながら歌うから、動体視力もよくなるわけよ。あるときなんか、下着が飛んできた。いや、驚くよね〜」

 ミッキーさんのお母さまにもお目にかかったことがありますが、それはそれは魅力的な方で、やはりお話が面白く、その上世界のことを考えておられるという、大きな器の方でした。

 ミッキーさんが話してくれたことがあります。

「ぼくが小さな頃、両親がダンスに行くっていう夜は、なぜか早く眠くなるんだよね。大きくなって、母親に聴いたの。どうしてだったんだろうって。そしたら、ちょっと薬を盛ってたんだって。ひどい母親だよね(笑)」

 面白い。なんて、すてきなお母さまであり、ファミリーでしょうか。あのお母さまがあっての、ミッキーさんだと思いますね。

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 本当に、ミッキーさんは面白い。話も、歌も、面白くできないかということをいつも考えている、生まれついてのエンターテイナーなのです。

 歌にとどまらず演技でも、若い頃から認められた演技派で、信じられないでしょうが、6カ国語をフルーエントに話す、「マルチ・タレント」の元祖のような方なのです。わたくしが最初に逢った頃は、「サムライ」というグループでヨーロッパで大成功し、帰国した直後でした。

 遊びも、仕事同様に真剣。A級ライセンスをもちレーサー経験もあるうえ、バイクも好きでカスタム・バイクのお店を経営していたこともある。彫金がうまく、この日の引き出物もミッキーさん手製のキー・ホルダーでした。

 そして、専門家はだしなのが「UFO研究」「超能力研究」。ピラミッド・パワーの威力などは、いち早く研究。そう、ミッキーさんに増やしていただいた引き出しが、なんて多いのでしょうか。

 落語も若いときから磨いた芸のひとつ。ミッキーさんの日常の会話の面白さ、歌でとる間の巧さは、落語の話芸によるところが大きいかもしれません。立川談志師匠に出逢い、40年ぶりに高座にカムバック。「ミッキー亭カーチス」が、高座名で、その古典をふまえた上で即興をくりだす話芸は、ミュージシャンならではのリズム感もあります。

 映画なんて、ミッキーさんが話してくれて面白そうだから見に行くと、ミッキーさんの話の方が面白かった、なんてこともままありました。冗談みたいでしょう?

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 ミッキーさんのジャズが、これまたいいんです。基本的にはバラッドを中心にしてプログラムを組むようですが、〈枯葉〉やシナトラ十八番のバラッドなどが、レパートリー。

 ミッキーさんならでは、という演目が、ロカビリーで歌っていた〈恋の片道切符〉を、スロー・テンポでじっくりと歌い上げ、ジャズにしたもの。これは、絶品です。

 『Autumn Collection』というアルバムがあるのですが、今は廃盤でしょうね。山本剛さんのピアノとの相性もよく、収められた12曲すべてが、我が愛聴曲です。〈ボディ&ソウル〉に〈カモン・ア・マイ・ハウス〉。低音域がすばらしく響くので、〈恋の片道切符〉の出だしの良さは、悶絶ものです。 このアルバム、レコード会社のどこかが再発してくれないでしょうか?

 いえいえ、新たに録音した方がいいかもしれない。ミッキーさんのジャズ・アルバム、今年はぜひレコーディング準備に入っていただきたいものです。

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 タイムリーに、帝国ホテルで毎夏行われているジャズ・フェスティヴァル「インペリアル ジャズ コンプレックス」に、ミッキーさんが山本剛トリオとの共演で出演します。ミッキーさんの出演日は、8月12日(火)の午後3時過ぎから、孔雀西の間にて。

 一日券を購入し、出演している20グループ近くのなかから、観客自身が選んで好きなグループ/シンガーを聴くシステムになっています。午後2時から約9 時間、ジャズ浸りになることができるわけですが、ホテルの宴会場に閑古鳥が鳴く、お盆前後にこのジャズ・フェス企画。実に、巧い企画だと思います。 地方からみえる年配のカップルは、宿泊とのパッケージを利用して、ゴージャスな夏の一日を過ごすよう。

 わたくしは、今年はミッキーさん狙いで行くつもりです。ミッキーさんの成城大学のクラスメイトだったという、レーシングドライバーの式場壮吉さんを誘って、雑誌「ENGIN」の鈴木編集長と行きたいねと画策中です。

 ミッキー・カーチスさんは新婚さんですから、歌がますます艶っぽくなっていることでしょう。楽しみです。

 当てられて、熱いだろうことは、覚悟していきましょう。

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ミッキーさんとヨーコさん


白金台にある「Blue Point」でのウェディング


出ました!ロカビリー御三家のお祝いパフォーマンス。左は山下敬二郎さん、右は平尾昌晃さん。3人揃うと、とてもすてき。


三人男を見て、喜ぶ招待客の一人、
尾藤イサオさん。


ラスト・ナンバーは、フラワー・トラベリング・バンドのジョー山中さんが歌う〈スタンド・バイ・ミー〉。


パーティのDJをつとめたご子息、
ユージン・カーチス


元タイガースの加橋かつみさん


作詞家の葉山真理さんと、K-1の武田幸三選手と


最新出演映画は「純喫茶磯辺」。
宮迫さん演じるマスターよりマスターらしい、
お客の役どころだそう。


ミッキー・カーチス ジャズ・アルバム
『オータム・コレクション』