Music Diary

[ 2009.04.12 ]

2 tastes of Candy

You can enjoy 2 tastes of Candy on "Funked Up & Chilled Out".

キャンディ・ダルファーの新作が、ヘッズ・アップ・レーベルから届きました。移籍第3弾にあたる、『ファンクド・アップ & チルド・アウト』です。

今年の9月19日のバースデイには、レコーディング歴20年を祝うキャンディですが、音楽への熱意とスーパー・ポジティヴ・シンキングで、近年ますます活動の場を広げ、多くのファンを獲得しています。

いつも以上の熱量と物語性をもった、新作のコンセプトについて、キャンディが次のように語りました。オランダから聞こえてくる彼女の声は、ちょっとハスキーで、人を安心させるトーンをもっています。

「実は、今回は、2枚組のアルバムを制作したの。1枚を、わたしの持ち味であるファンクを中心にした "ファンクド・アップ・サイド"。もう1枚を、バラードを中心とした "チルド・アウト・サイド"。前者の動と、後者の静という、2つの面を表現しようというのがコンセプトなんです。
背景もあって、オランダで映画のサウンド・トラックを担当したのね。これが、我ながらいい出来で(笑)。そのために書いた曲や演奏を、どうしても残したくなった。そこで、"チルド・アウト・サイド"を考えついたというわけです」
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日本では、まず初回限定でその2枚組をリリース。その後に発売される通常盤では "ファンクド・アップ・サイド"を中心に、日本用のボーナス・トラックをふくんだ13曲が収められます。
 
わたしは、今回「静」の面が表現されたことが、キャンディの新境地で大事なことだと思っているので、日本サイドが下した「1枚にしちゃう。だって、2枚組は売れないだろう」という選択を残念に思っています。

でも、そんなわたしを「やっぱり売れなくちゃ、困るわよね」となだめたのは、他ならぬキャンディだったのです。彼女は言いました。
「その通常盤『ファンクド・アップ!』でも、わたしの一面しか見せられないという残念さはなくて、 "ベスト盤"的な意味合いがあると思ってる。こんな世界的な経済状況だから、求めやすい方がいいし、多くの方に聴いていただくことが本望だということは一貫しているの」

 キャンディのすばらしさは、こういう心底からでるポジティヴさにあるのです。演奏ばかりではなく、日常生活、ビジネス面でも、彼女の明るさがすべてをよい方向にもっていくのを、わたしは何度も目撃してきました。新幹線が遅れたって、キャンディとなら、楽しい時間になるだろうと思わせるスポンテニアスさが彼女にはあり、その人柄が音楽に大きく寄与しているのです。
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と、いうわけで、今回は初回限定という、2枚組でリリースされたこのデラックス盤を手に入れることをお勧めします。いつもは人に見せない、キャンディの「静」の面を堪能できるのですから。計24曲分のキャンディを味わえれば、ファンにはお徳感もあるはずです。

"チルド・アウト・サイド"の〈アンビエンテ〉は、キャンディにとっては新たな曲想です。アコースティック・ギターにのって、率直に、しかしあくまでやさしくサックスを吹く姿に、新境地を感じずにはいられません。
 アコースティック・ギターと、ゆらぐエレクトリックのサウンドが、波のように寄せては返す〈スーパー・ナチュラル〉は癒しと、包容力にみちていて、やわらかな母性をふわっと感じさせてすばらしい。
ラテンの哀愁をもった〈オーダ・アル・ヴィーノ〉。そして広大な地平の広がりを感じさせる、最終曲〈サンライズ〉まで、ここには豊かな物語性を、静かな口調で語るキャンディがいます。

それは、電話口から聞こえてくる声や、日常のキャンディの姿に似ている落ち着きがあります。
「このサイドこそ、ほんとうのキャンディだわ」
わたしが言うと、キャンディが答えました。
「だから、両方とも、ほんとうのわたしなのよ。"ファンクド・アップ・サイド"のイケイケのわたしも本物だし、静かなわたしもほんとうのわたし」

そうでした。
彼女の「ミックスの感覚」が秀逸なことを、思い出しました。

「父の仕事と人柄のせいで、わたしの家には、いつもさまざまな国から来たミュージシャンが混在していた。だからかな。今でもわたしは、いろいろな思想、いろいろな音楽的要素、いろいろな意見がないと、落ち着かないの。大勢の人が集い、意見がひとつにまとまるなんて、どこか嘘くさいと思うのね。
だから、友人を家に招く時も、誰さんと彼さんはバックグラウンドがちがうから、会わせたら楽しいじゃないかしらと、自然にさまざまなことをミックスする癖がある。その性分が、音楽をやるときにはプラスに働いていることは事実ね」
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キャンディ・ダルファーはブロンドの美貌と、男性も顔負けの骨太のブロウで、サックスの世界地図を変えた女性です。彼女が開けた扉から、大勢の女性管楽器奏者が巣立っていきましたが、その扉には、こう書かれていたに違いありません。
「あなたにも、きっとできる」

キャンディ・ダルファーの名を、世界へと押し上げたのは、マドンナのツアーでのオープニング・アクトであり、プリンスとの共演でした。
1990年に初リーダー・アルバム『サンクシュアリティ』を発表。グラミー賞にノミネートされるほか、世界で100万枚のヒットになりました。
続いて93年にリリースした『サックス・ア・ゴー・ゴー』には、メイシオ・パーカー、イージー・モービー、タワー・オブ・パワーをゲストに迎え、彼女の代名詞になっているタイトル曲をはじめ、彼女の存在をさらに広く知らしめるアルバムになりました。
99年の『ガールズ・ナイト・アウト』には、ラテン・ジャズの名トランペッター、アルトゥーロ・サンドヴァールや、JB's のホーン・セクションをゲストに、キャンディ流ファンクの幅を広げたのです。
2002年には、プリンスの『ワン・ナイト・アローン・ツアー』に、メイシオ・パーカーと参加。

「プリンスの音楽への熱意とプロとしての心構えに、大きな影響を受けたものよ。当初は体力的にたいへんだったけれど、やっていくうちに体力がついてきて、以来、どんなハードなステージをこなしてもつらいと感じることがなくなった。
聴衆に自分を120%捧げる姿勢は、メイシオから習ったもの。実に、意義深いツアーだった」

念願だった父、ハンス・ダルファー(ts)との共演作『ダルファー! ダルファー!』を発表し、親子揃ってのツアーも成功をおさめました。
2003年のプリンスのインスト作『Xpectation』、そしてメイシオ・パーカーの『メイド・イン・メイシオ』にもゲスト参加しています。
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キャンディ・ダルファーは、新作をリリースして間をおかず、大型連休最後の日から、ブルーノート東京にシーラ・Eと来日することが決まっています。この2人はプリンスつながり。かなり熱いステージになりそうですね。

キャンディは、きれいな金色の髪を揺らせながら、ファンクを奏し、また一方では、センシュアルなバラードを想いを込めてブロウすることでしょう。

シーラ・Eが共演者だと、「動」中心のプログラムになりはしないかと、それだけが少し心配ですが、ここはキャンディの両面を、ぜひライヴでも聴かせてほしい。

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UCCT9010_FunkedUp_ChilledOut.jpgCANDY DULFER "Funked Up & Chilled Out" (UCCT-9010/1)

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CANDY DULFER
with special guest SHEILA E.
@Blue Note Tokyo

2009 5/6 wed. - 5/11 mon.
Showtimes : 7:00 p.m. & 9:30 p.m.

※5/6wed.
1st Show : Open5:00p.m. Start6:30p.m.
2nd Show : Open8:15p.m. Start9:00p.m.

※5/10sun.
1st Show : Open3:00p.m. Start4:00p.m.
2nd Show : Open6:00p.m. Start7:00p.m.


DSC02301.JPGYo mentined about Candy on her latest book "Women in Jazz"