Music Diary
[ 2009.06.24 ]
Shinpei Ruike / 類家心平デビュー
類家心平は、わたしが今最も注目するトランぺッターです。
名前が、いいでしょ。
ルックスもいい。
それに、何より、トランペットの音が、いいんです。
urbというグループの一員として2004年に3枚の作品を発表した彼は、今回リリースになった『ディストーテッド・グレイス』がデビュー・アルバムになります。
33歳。
このタイミングでのリーダー作発表を、ご本人は「ちょうどいいタイミング」だと話しています。
20歳代のデビューであったら、クラブ・ジャズという小さな枠で語られたかもしれなかったけれど、現在はより広い音楽性をもち、フリーの要素も飲み込んで既にオリジナリティを感じさせるのですから。
小学生のときに入ったブラスバンドから一貫して、トランペットへの想いを貫いてきたその音は、限りなく遠くへと届くもの。
スタイリッシュな外見はある種の「鎧(yoroi)」で、それを脱がせると裸の音がある。
その音が〈アグア(イントロ)〉で放たれ、現代がかかえる不安と一筋の光を伴って、彼方へと旅立つのです。
壮大さのあるハクエイ・キムのピアノに鉄井孝司のベース、現代のビートをもつ吉岡大輔のドラムスと、個性と広い音楽的視野をもつメンバーに恵まれたことも、幸運でした。
「市場にはリスナー目線の音楽が多いけれど、もっとミュージシャン目線の音楽をやりたかった」と語る類家の冒険は、始まったばかり。
先鋭的なサウンドであっても、美しさは損なわれず、聴き手の共感を呼んでいくことでしょう。






